保護者の方とお話ししていてよく耳にする言葉に「ひらめき」「センス」というものがあります。
特に図形の問題で、「お兄ちゃんはひらめくのに、この子にはひらめきがない」、「うちの子は図形のセンスがない」といった表現をされることが多い。
たしかに、子ともが「わかった!」という瞬間をはたから見ていると「ひらめいた」感じがします。
このとき頭の中で何が起きているのでしょうか?
何もないところから何かが降臨したのではありません。
いろいろなことを頭の中で試しているうちに、答えに結びつくものを探し当てたのです。
パソコンでの検索に例えると、いろいろな検索ワードを打ち込んでいるうちに、目的の事柄が見つかった感じです。
そうすると、「ひらめく」には次の2点が必要になります。
① 検索ワードをたくさん知っていること → 問題を解くカギをたくさん持っていること
② 検索エンジンがしっかり作動すること → 頭を使って思考すること
①については、基本の型を身に付けていることは当然として、以下のようなものもあります。
・角度の問題で困ったら、二等辺三角形を探せ
・円やおうぎ形があるときは、中心から補助線を引け
・平行線を見たら、相似形や等高図形を探せ
・面積の差を問われたら、同じものをつけたせ
算数には『こんなときはこうしろ!』という鉄則のようなものがたくさんあります。
問題は、これらを習ってはいるけど身に付いていない(覚えていない、出てこない、使えない)ことです。
なぜ身に付かないかというと、根拠がわかっていないからです。
先生がここに補助線を引けと言ったから引いてみた。そうすると解けた。これだけでは、その問題は解けても応用は効きません。
心がけとしては、少なくとも「なぜそんな線を引くのか」「なぜ引く気になるのか」を考えること。
②について「頭を使って考える」なんて当たり前のことだと思われるかもしれませんが、「ひらめかない子」は、ひとつふたつ検索したところでエンジンが停止して=わからん、となっているのです。
心がけとしては、レベルの高い問題はいくつもいくつも試してやっと答えにたどり着くものだと思っておくこと。(よくできる子も先生も、そうしてるんです。)
この2つを心がけていれば「ひらめく子」「センスのある子」になる可能性は上がりますよ。